【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―時計と猫 編―

2026年1月30日

吾輩は猫である ―時計と猫 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

人間はしきりに時計を見る。
進んでいるか、遅れているか、
間に合うか、間に合わぬか。
円盤の上を回る針に、
気分まで預けているようだ。

吾輩は時計を見ない。
正確な時刻を知らずとも、
腹が減れば起き、
眠くなれば眠る。
それで一日が、きちんと終わる。

時計は便利である。
だが、便利なものほど、
人を追い立てる。
人は時間を使っているつもりで、
いつの間にか
時間に使われている。

吾輩は窓辺で丸くなり、
光の角度で午後を知る。
時計より遅いが、
間違えない。

考えるとは、
急がぬことだ。
生きるとは、
測らぬことだ。

人は時計を信じ、
吾輩は今日を信じる。
それだけの違いである。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが確信している。
理性を失わぬために、
人はときどき
猫の時間を思い出すべきだ。

刻む針
忘れさせる猫
思索とは昼寝の中にあり


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gonta

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