【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―エアコン清掃 編(猫の体調を思う)―

2026年2月10日

吾輩は猫である ―エアコン清掃 編(猫の体調を思う)―

吾輩は猫である。名前はまだない。

最近、少しだけ動きが鈍い。
食欲はあるが、
昼寝の時間が長くなった。
人間は、それに気づいたらしい。

ある朝、
天井の白い箱が開かれた。
脚立、雑巾、
そして「今日は掃除だな」という声。

どうやら、
エアコンの清掃である。

風は、
見えぬうちに溜まる。
埃、湿気、
そして季節の疲れ。
それらは、
人より先に、
猫の体に表れる。

吾輩は、
冷たい風が苦手だ。
だが、
澱んだ風はもっと苦手である。

人間は言う。
「猫のためにもな」と。
それは、
なかなか正しい。

フィルターが洗われ、
乾かされ、
箱は元の姿に戻る。
吹き出す風は、
尖らず、匂わず、
ただ静かだ。

掃除とは、
快適さのためだけではない。
誰かの不調に、
気づいた結果なのだ。

吾輩は猫である。
今日も直接は手を出さぬ。
だが、
風の変化で、
人の気遣いはわかる。
体調とは、
環境の返事である。

風変えて
猫の寝息も
深くなる



  • この記事を書いた人

gonta

-【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編