吾輩は猫である。
名前はまだない。
春先になると、
人間は少し落ち着かなくなる。
机の上の参考書は閉じられ、
画面の前に、
静かな緊張が残る。
人間はこれを、
合格発表と呼ぶ。
長い時間をかけて、
書き、
考え、
直し、
また書く。
紙の上に、
経験を並べる試みである。
試験とは、
知識を問うようでいて、
実は姿勢を問う。
どこまで考え、
どこまで責任を引き受けるか。
結果の文字は、
短い。
だが、
そこに至る道は長い。
喜ぶ者もいれば、
静かに画面を閉じる者もいる。
どちらも、
同じ時間を歩いてきた。
合格とは、
終わりではない。
むしろ、
背負う名が増えるだけだ。
技術士という言葉は、
肩書きではなく、
問いの始まりである。
社会に対して、
何を守り、
何を残すのか。
その責任を、
これからも考え続ける。
吾輩は猫である。
試験は受けぬ。
だが、
続ける者の背中は知っている。
合格とは、
次の責任に
静かに座ることなのだ。
合格の
二文字重し
春の風