【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―お腹すいたアピール 編―

2026年8月23日

吾輩は猫である ―お腹すいたアピール 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

夕方になると、
人間の前を横切る。

一度ではない。

二度。
三度。

そして、
皿の前に座る。

人間はこれを、
お腹すいたアピールと呼ぶ。

吾輩は思う。

言葉がなくても、
伝える方法はいくらでもあると。

皿を見る。

人間を見る。

もう一度、
皿を見る。

これだけで、
だいたい通じる。

それでも足りなければ、
少し鳴く。

さらに足りなければ、
足元を歩く。

最後は、
静かに圧をかける。

猫は、
説明しすぎぬ。

だが、
必要なことは伝える。

人間は、
時に遠慮する。

頼みたいのに、
頼まない。

困っているのに、
大丈夫と言う。

だが、
伝わらなければ、
相手には分からぬ。

吾輩は思う。

アピールとは、
わがままではない。

必要なことを、
必要な時に伝えることだ。

ただし、
やりすぎれば逆効果である。

ずっと鳴く。

皿を叩く。

朝の四時に起こす。

そこまで行くと、
交渉ではなく、
圧力になる。

何事も、
ほどほどがよい。

吾輩は猫である。
腹が減れば、
それとなく伝える。

だが、
一度で通じない時は、
少しだけ分かりやすくする。

お腹すいたアピールとは、
言葉がなくても、
相手に届くまで伝え方を工夫する技なのだ。


皿を見て
人見てまた皿
飯まだか

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gonta

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