吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ―猫の歯医者 編―

2025年8月30日

吾輩は猫である ―猫の歯医者 編―

吾輩、信虎である。
昨日から右の奥歯がうずく。
カリカリを噛むとき、少し力を入れられない。
飼い主に見つかり、今日は動物病院の歯科へ行くことになった。

葵は心配そうに言う。
「信虎兄さま、麻酔って怖くない?」
獅子丸は面白がって、
「銀歯にしてもらえよ!かっこいいぞ!」と笑う。
沙羅は冷静に、
「歯は一度悪くすると全身に響くのよ。しっかり治してらっしゃい」と背中を押してくれた。

病院に着くと、白衣の先生が口を開けて診る。
「軽い歯肉炎ですね、スケーリングで大丈夫ですよ」
その言葉に少し安心した。
超音波の機械がキーンと鳴り、
歯石がカリカリと削られていく。
少しムズムズするが、痛みはない。

終わると、歯が見違えるほど白くなった。
先生は「猫も歯が命です。できれば毎日歯磨きを」と言う。
吾輩はうなずきつつ、
(歯磨きは…できれば週一にしてほしい)と心でつぶやく。

帰宅すると、3匹が出迎えた。
獅子丸がニヤリと笑い、
「お、ピカピカじゃん。鏡代わりにしてもいい?」
葵は「よかったね」と頬をすり寄せ、
沙羅は「これであと10年は美味しく食べられるわね」と微笑んだ。

吾輩は信虎である。
歯が健康であれば、猫生の楽しみは何倍にもなると、
今日しみじみ思ったのである。


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gonta

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