【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―家猫と地域猫 編―

2025年12月29日

吾輩は猫である ―家猫と地域猫 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

吾輩は家猫だ。
雨の日も、暑い日も、
屋根と毛布と決まった皿がある。
夜は鍵のかかる扉の向こうで、
静かに眠る。

ある日、窓の外に猫がいた。
首輪はなく、
耳に小さな切れ込みがある。
――地域猫である。

彼は塀の上から吾輩を見て言った。
「ここ、あったかそうだな。」
吾輩は答えた。
「そっちは、風の匂いがするな。」

彼の暮らしには、
決まった時間も、
決まった寝床もない。
だが、
通りの人が餌を置き、
誰かがそっと見守っている。

吾輩の暮らしには、
外の自由はないが、
病院も、
心配する声も、
帰る場所もある。

どちらが幸せか、
簡単には決められない。
ただ、
それぞれに守られている形が違うだけだ。

夕方、地域猫は静かに去っていった。
吾輩は窓越しに、
その背中を見送った。

人間たちが話す。
「外は危ない」
「でも、見捨てられない」
その迷いの中に、
この街のやさしさがある。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが思う。
守られる猫も、
見守られる猫も、
どちらもこの街の命なのだと。

屋根の下 塀の上にも 同じ月


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gonta

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