【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―一般参賀 編―

2026年2月24日

吾輩は猫である ―一般参賀 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

朝の空気が澄み、
人の流れが一方向へ向かう。
旗が小さく揺れ、
声は抑えめに重なる。

人間はこれを、
一般参賀と呼ぶ。

集まる理由は、
言葉よりも所作にある。
遠くを見ること、
立ち止まること、
同じ方向を向くこと。

吾輩は、
少し離れた場所からそれを見る。
近づきすぎぬ。
だが、
背を向けもしない。

姿は遠く、
言葉は短い。
それでも、
人は満ち足りた顔で帰る。

見えたからではない。
集ったからだ。

祝いとは、
騒ぐことではない。
確認することだ。
続いているものを、
今年も続けるという意思を。

旗は振られ、
やがて下ろされる。
人波は静かに解け、
街は日常へ戻る。

吾輩は思う。
象徴とは、
大きく動くことではなく、
そこに在り続けることだと。

吾輩は猫である。
参賀はせぬ。
だが、
遠くから揺れぬ姿を見る。
続くということは、
集まり、
また散ることなのだ。


旗揺れて
集う静けさ
年は明く


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gonta

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