【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫って長靴履ける? 編―

2026年2月6日

吾輩は猫である ―猫って長靴履ける? 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

雨の日、飼い主が長靴を履いて出かける。
ごつく、重く、
足音がいつもと違う。
その様子を見て、
吾輩はふと思った。
――猫って、長靴履けるのだろうか。

結論から言うと、
履けない。
物理的には、
入るかもしれぬ。
だが、
猫の足は地面と会話している。
濡れ具合、
冷たさ、
微かな振動。
それらを遮る靴は、
猫にとって世界を閉ざすものだ。

人は守るために履く。
猫は感じるために裸足でいる。
そこが違う。

長靴を履けば、
水たまりは怖くない。
だが、
水たまりが何者か分からなくなる。
猫はそれを好まない。

吾輩は雨音を聞き、
窓辺で丸くなる。
濡れずとも、
雨は分かる。
世界は、
直接触れなくても、
ちゃんと届く。

吾輩は猫である。名はまだない。
だから今日も、
長靴は履かない。
その代わり、
濡れない場所を選ぶ知恵を持っている。

長靴は
要らぬ足裏
雨を知る


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gonta

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