【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫を猫と呼ぶ 編―

2026年1月31日

吾輩は猫である ―猫を猫と呼ぶ 編―


吾輩は猫である。名はまだない。

フランスの諺には、
物を物として呼ぶことの大切さが、
さりげなく込められている。
飾らず、
誇張せず、
期待を背負わせない。

吾輩は思う。
猫を猫と呼ぶとは、
愛さぬことではない。
支配せぬことだ。

人は名を足す。
意味を盛る。
役割を与え、
物語を背負わせる。
だが、
猫は物語を欲しがらない。

猫は猫であり、
それ以上でも以下でもない。
そのままで十分なのだ。

フランス人は言う。
「物は物として扱え」と。
それは冷たさではない。
敬意である。

吾輩が窓辺にいるとき、
理由はない。
意味もない。
ただ、
そこにいる。

それをそのまま受け取れる人のそばで、
吾輩は長く眠る。

吾輩は猫である。名はまだない。
猫を猫と呼ぶ者は、
世界を世界のまま
信じている者だ。

猫は猫
それ以上を
言わぬ智慧


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gonta

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