【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―ねこねこ王国 編―

2025年12月20日

吾輩は猫である ―ねこねこ王国 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

ある朝、目を覚ますと、
いつものリビングではなく、
金色の光に包まれた巨大な城門の前に立っていた。

門にはこう刻まれている。
「ようこそ、ねこねこ王国へ」

どうやら吾輩、異世界に召喚されたらしい。

王国の中央広場では、
千匹の猫がゆったりとくつろぎ、
毛づくろい大会やにゃんこ相撲が行われている。
食堂には終わらぬカリカリバイキング、
王室にはちゅ〜るの泉まであるという。

そんな楽園の中心に、
ねこねこ王国を統べる“王猫(キングキャット)”が現れた。
白く長いひげ、気品あるしっぽ――
どこからどう見ても、日向ぼっこが仕事のような風貌だ。

しかし、王は吾輩を見るなりこう言った。
「そなたを呼んだのは他でもない。
 ねこねこ王国に、いま最大の危機が迫っておる。」

なんと――
**「掃除機軍団」**が国境に迫っているという。
轟音とともに突き進み、
落ちている毛玉を容赦なく吸い込む恐るべき兵器。

王は続けた。
「勇敢なる猫よ。
 そなたに、王国を救ってほしい。」

吾輩はしばし考えた。
猫に勇敢さを求めるとは無茶だが、
ここで断っては名誉に関わる。
吾輩は静かに前足を一歩踏み出した。

戦いは——
なんと “にらみ合い” で終わった。

掃除機軍団は、
吾輩の怒りの毛逆立ちスタイルを見ると、
勝手に電源が落ち、静かに退散した。
恐れを知らぬ勇者とは、
案外、気迫だけで勝てるものらしい。

王国の猫たちは歓声を上げ、
吾輩を英雄として迎えた。
「これより汝に爵位を与える。
 名を――“ひざの上伯爵”とする!」

……正直、もう少し格好いい称号が欲しかったが、
ひざの上は好きなのでまあ良しとしよう。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが今日、ねこねこ王国の英雄となった。

王国に 毛玉舞い散る 春の宴


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gonta

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