吾輩は猫である。名はまだない。
だが、町に危機が迫るとき、
吾輩はただの名もなき猫ではなく――「猫レンジャー」となる。
赤きマントを背にまとい、
しっぽを稲妻のごとく振り上げ、
にゃんと鳴けば仲間たちの心に勇気が灯る。
敵は掃除機の怪物や、宅配便の巨人。
吾輩の任務は、
人間の平和と昼寝の時間を守ることにある。
今日も路地裏に異変あり。
強風に煽られたゴミ袋が暴れ、
子猫たちが怯えて隅に縮こまる。
吾輩は飛び出し、前足で袋を押さえつけた。
「もう安心だ、吾輩に任せろ」
にゃあ、と鳴けば子猫の目が輝いた。
戦いのあと、吾輩は屋根の上に座り、
町を見下ろす。
昼下がりの太陽は温かく、
ヒーローも次の任務までは昼寝を許される。
吾輩は猫である。名はまだない。
だが今日も確かに守ったのだ――
この町と、そこで暮らす小さな命を。
猫レンジャー 昼寝の前に 平和守る