【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫天皇 編―

2026年2月23日

吾輩は猫である ―猫天皇 編―

吾輩は猫である。名前はまだない。

ある日、誰も決めぬうちに、
その席は空ではなくなっていた。
呼ばれたわけでも、
望んだわけでもない。

ただ、そこに座っていた。
それだけであった。

命じぬ。
叱らぬ。
声を荒らげることもない。
それでも、場は整う。

人は権威を言葉で飾り、
力を形にしたがる。
だが、真に重いものは、
動かぬことにある。

急がず、競わず、
昨日と同じ朝を迎える。
それを続けることの難しさを、
吾輩は知っている。

治めているのではない。
支配しているのでもない。
ただ、乱れぬ中心として、
在り続けているにすぎぬ。

変わらぬ姿は、
停滞ではない。
揺れぬ背中は、
拒絶ではない。

吾輩は猫である。
命令は出さぬ。
答えも示さぬ。
それでも、人は道を正す。

それが、
猫天皇という在り方である。吾輩は猫である。名はまだない。

何もせず
座る背中に
国がなる



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gonta

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