吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ―猫の爪切り 編―

2025年11月29日

吾輩は猫である ―猫の爪切り 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

今日も、家のどこかで“パチン”という音がした。
これは恐怖の合図である。
飼い主が爪切りを手に吾輩を探しているのだ。

吾輩はソファの下にすばやく潜り込む。
ここは安全地帯。
しかし、飼い主は甘くない。
「そんなところに隠れたって、すぐ終わるよ〜」
その声がやさしいほど、逆に怖いのだ。

ついに捕まった吾輩は、
膝の上で“武装解除”されるように抱えられる。
前足をそっと持ち上げられ、
爪先が光に照らされる。
飼い主が言う。
「大丈夫、大丈夫。すぐ終わるからね」

パチン。
ひとつ音が響く。
――痛くはない。だが誇りが少し痛む。

それでも、飼い主の手つきは丁寧で、
爪が短くなるにつれて、
足先が軽くなるのを吾輩は知っている。

やがてすべての爪が整い、
飼い主は微笑んだ。
「よし、おりこうさん」
吾輩はプイと横を向いたが、
しっぽはつい嬉しさを振ってしまった。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが思う。
爪切りとは、戦いではない。
――愛の“メンテナンス”である。

誇り減り 軽さを得たり 春の爪


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gonta

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