【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―アルパカと山羊 編(色々飛ばしてきます)―

2026年3月5日

吾輩は猫である ―アルパカと山羊 編(色々飛ばしてきます)―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

草の匂いがする場所で、
妙に落ち着いた者と、
妙に勢いのある者に出会った。

人間は、
前者をアルパカ、
後者を山羊と呼ぶ。

アルパカは、
風に逆らわぬ。
目は半分閉じ、
急ぐ理由を持たぬ顔で立っている。

山羊は、
急に跳ぶ。
低い柵など無意味にし、
時に、思考まで飛び越える。

色々、飛ばしてくる。

草も、
石も、
ときには話題も。
脈絡を越え、
突然、別の丘に立っている。

吾輩は思う。
飛ぶ者は強く見えるが、
残る者もまた強い。

アルパカは、
動かぬことで均衡を保つ。
山羊は、
動くことで均衡を探す。

どちらも、
間違いではない。

人間の世界にも、
話を飛ばす者と、
話を受け止める者がいる。
議論は山羊のように跳ね、
会議はアルパカのように止まる。

吾輩は、
少し高い場所に座る。
飛んできたものは避け、
残ったものだけを見る。

すべてを追わぬ。
すべてを否定せぬ。
選び、
残し、
静かに整える。

吾輩は猫である。
飛ばされぬ。
だが、
飛ばす者も嫌いではない。
混ざり合うからこそ、
風景は単調にならぬのだ。


飛ぶ山羊と
動かぬ羊駝
風は同じ


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gonta

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