吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― 健康診断 編―

2025年9月25日

吾輩は猫である ― 健康診断 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

朝から飼い主がそわそわしている。
どうやら今日は「健康診断」なるものに出かけるらしい。
人間は年に一度、身体を調べてもらうのだという。
体重、血圧、採血にバリウム……聞くだけで吾輩のひげが震える。

思えば吾輩も、獣医に連れて行かれては診察台に乗せられる。
体重計の上で動く数字を、先生が真剣な顔で眺めるあの瞬間――
人間の健診とそう変わらぬのだろう。

飼い主は「去年より太ったかも」とつぶやく。
吾輩は心の中で「運動不足は吾輩も同じにゃ」と返す。
毎日ごろごろしては食べて寝て、
気づけば少しお腹が丸くなっている。

けれど健康とは、ただ数字の良し悪しではない。
食べて、動いて、よく眠る。
そして日向でのびのびと毛づくろいできること。
それが猫にとっての健康であり、
人間にとっても変わらぬのではないか。

夕方、飼い主は「問題なし!」と笑顔で帰ってきた。
その顔を見て、吾輩の胸もほっと温かくなった。
健康診断の真の効用は、
安心というご褒美なのだろう。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが飼い主の健康あってこそ、
吾輩の日向ぼっこも続くのである。

健診を 終えて一緒に 昼寝かな


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gonta

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