吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ―猫プログラミング 編―

2025年12月6日

吾輩は猫である ―猫プログラミング 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

ある日、飼い主がノートパソコンを開いたまま席を立った。
画面には、不思議な文字列が並んでいる。
if, else, for, {}……
まるで人間が書いた“秘密の日記”のようだ。

吾輩は興味に勝てず、
キーボードの上にそっと前足を置いた。
すると画面が一気に動き出し、
警告の窓がぽんぽんと増えていった。

――どうやら“バグ”を大量に発生させてしまったらしい。

そこへ飼い主が戻ってきて叫んだ。
「うわっ、コードが崩壊してる!!」
吾輩は静かに尻尾を巻いた。
プログラムとは繊細な生き物なのだな。

しかし飼い主はため息をつきながらも椅子に座り、
「まあ……君なりに手伝ったんだよね」と笑った。
その隣で吾輩は、画面のエラーをじっと眺めた。

不思議なもので、
"Hello, World!" の文字は、
どこか吾輩に語りかけているように見えた。
――世界とは、小さな一歩から始まるのだ、と。

修正が終わったころ、
飼い主はひざに吾輩をのせて言った。
「いつか君もコード書く?」
吾輩は目を細めた。
猫に必要なのはコードではなく、
人の心をデバッグする力である。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが、この柔らかな夜の光の中で、
画面よりも大切な“つながり”を学んだ。

バグ消して 寄り添う膝に 春灯り


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gonta

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