【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫アレルギー 編―

2025年12月11日

吾輩は猫である ―猫アレルギー 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

ある日から、鼻がむずむず、目がしょぼしょぼ。
くしゃみをすると、しっぽまで跳ねるほどの勢いだ。
毛づくろいをするたび、
なんだか肌がひりひりして落ち着かぬ。

飼い主が吾輩の様子に気づき、
「もしかしてアレルギーじゃない?」と眉を寄せた。
アレルギー――それは人間だけの悩みだと思っていた。
まさか猫の世界にもあるとは、驚きである。

動物病院で検査を受けると、
獣医殿はやさしい声で言った。
「少しだけ食物アレルギーがあるみたいですね。
 フードを変えて、環境も整えていきましょう。」

飼い主は真剣な表情でメモを取り、
帰宅すると、その日からフードが変わった。
香りは控えめだが、
体はすこぶる軽くなる。
数日もすると、くしゃみも減り、
目のかゆみもおさまり始めた。

飼い主がほっと息をつく。
「良かった……。気づくのが遅れなくて」
吾輩は膝に乗り、喉を鳴らした。
――不調は怖いが、それ以上に
  ともに向き合ってくれる存在が心強い。

アレルギーがあっても、
吾輩の日々は続く。
窓辺でひなたぼっこし、
夜は飼い主の横で小さく丸くなる。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが今日あらためて思う。
「共に暮らす」とは、
弱さを見つけたときこそ絆が深まる、ということだ。

くしゃみ減り 胸にひらける 春の風


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gonta

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