【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―聖地秋葉原 編―

2025年12月27日

吾輩は猫である ―聖地秋葉原 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

人はこの街を「聖地」と呼ぶ。
秋葉原。
電気の街であり、
趣味の街であり、
祈りにも似た情熱が集まる場所だという。

吾輩が初めて足を踏み入れたとき、
空気が少し震えているように感じた。
看板はまぶしく、
人の流れは速い。
だが、その奥に、
一点に集中した“まなざし”が無数に存在している。

ガラス越しに並ぶフィギュア、
棚に積まれた同人誌、
イヤホン越しに流れる音楽。
人々は皆、
自分の「好き」を守るために、
ここへ巡礼してきているのだ。

吾輩は路地裏で立ち止まり、
静かな場所を見つけた。
表通りの喧騒とは別の、
ほっとする沈黙がそこにはあった。
聖地とは、
叫ぶ場所ではなく、
黙って大切なものを抱える場所なのかもしれぬ。

飼い主が小さく言った。
「ここに来ると、元気出るんだよね。」
吾輩はうなずいた。
理由は分からぬが、
“分かってもらえる場所がある”という感覚は、
生きる力になる。

吾輩は猫である。名はまだない。
だがこの街で知った。
好きなものを好きと言える場所は、
誰にとっても聖地なのだ。

ネオン越し 守る想いの 聖地かな


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gonta

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