【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―横浜万博応援 編―

2026年1月24日

吾輩は猫である ―横浜万博応援 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

港の風は、いつも少し先の話を運んでくる。
今日はその風に、
「万博」という言葉が混じっていた。
どうやら人間たちは、
未来を集める大きな催しを応援しているらしい。

横浜の街は、
新しいものに慣れている。
異国の匂いも、
見慣れぬ建物も、
いつの間にか景色の一部にしてきた。
だから万博も、
騒ぎ立てるというより、
静かに背中を押す感じだ。

飼い主は言った。
「横浜は、つなぐ役だよね。」
海と陸、
昔と今、
人と人。
猫から見ても、
ここは交差点のような街である。

吾輩は思う。
万博とは、
派手な未来を見せる場ではなく、
違いを並べて、
一度、同じ場所に置いてみる試みなのだろう。
それは、
猫が新入りと距離を測る作法にも似ている。

急がず、
無理に触れず、
まずは同じ空気を吸う。
横浜の応援は、
きっとそんな調子でいい。

吾輩は港を眺め、
しっぽをゆっくり揺らした。
未来は、
待ち構えるものではなく、
迎えにいくものだ。

吾輩は猫である。名はまだない。
だがこの街で、
静かに未来を信じる応援なら、
任せてほしいと思った。

港風 未来を結ぶ 猫の背


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gonta

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