【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―春節編―

2026年2月25日

吾輩は猫である ―春節編―

吾輩は猫である。名前はまだない。

夜が、
いつもより赤い。
提灯が連なり、
香りが混じり、
言葉が幾重にも重なる。

人間はこれを、
春節と呼ぶ。

新しい年が、
もう一度やってくるらしい。
暦が違えば、
始まりも違う。
それを不思議とは思わぬ。
猫にとって、
朝は毎日、新年である。

街はにぎわい、
火花が空を裂く。
音は大きく、
光は強い。
だが、
喜びとは、
外の明るさだけではない。

再会する者、
帰る者、
遠くから来る者。
荷物の中には、
土産よりも時間が詰まっている。

吾輩は、
通りの端で座る。
祝わぬが、
拒まぬ。
異なる始まりを、
そのまま受け入れる。

年が変わるたび、
人は願う。
豊かに、
健やかに、
穏やかにと。
願いは違えど、
求めるものは似ている。

やがて、
提灯は灯りを落とし、
通りは元の色に戻る。
残るのは、
少し温かい空気だ。

吾輩は猫である。
暦は持たぬ。
だが、
新しい気配はわかる。
春節とは、
違いの中に、
同じ願いを見つける日である。

赤灯り
異なる暦も
春は春


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gonta

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