【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―222 猫の日 編―

2026年2月22日

吾輩は猫である ―222 猫の日 編―

吾輩は猫である。名前はまだな

暦に、
同じ数字が並ぶ日がある。
二、二、二。
人間は少し騒がしくなる。

どうやら、
猫の日らしい。

普段は気づかぬくせに、
今日はやけに写真を撮る。
特別なおやつが出て、
声の調子も柔らかい。

吾輩は思う。
猫であることに、
日付は必要だろうかと。

猫は、
毎日が猫である。
甘える日も、
離れる日も、
同じ顔で暮らしている。

だが、
悪くはない。
年に一度くらい、
人間が素直になる日があっても。

棚には猫の絵、
画面にも猫、
店先にも猫。
急に増えた気がするが、
元からいたのは吾輩のほうだ。

二が三つ並ぶだけで、
人は理由を見つける。
祝う理由は、
案外それで十分なのだろう。

夕方、
騒ぎは少し落ち着く。
特別なおやつも終わり、
部屋はいつもの静けさへ戻る。

吾輩は猫である。
今日だけ特別ではない。
だが、
今日をきっかけに、
明日も撫でるなら、
それでよい。
猫の日とは、
人が猫を思い出す日である。

二が三つ
撫でる手少し
長くなる


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gonta

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