【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―投薬補助剤の罠に気付いた猫 編―

2026年2月28日

吾輩は猫である ―投薬補助剤の罠に気付いた猫 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

最近、
やけに優しい。
声が甘く、
撫でる時間が長い。

皿の上には、
いつもより香りの強い塊。
人間は微笑む。
「特別だよ」と。

怪しい。

吾輩は知っている。
世の中には、
目的のための甘さがある。

一口かじる。
旨い。
だが、
その奥に、
微かな違和感。

舌が、
真実を拾う。

噛まずに飲ませようとする手つき、
視線の揺れ、
過剰な励まし。
すべてが一致した。

これは、
薬だ。

投薬補助剤という、
実に巧妙な仕組み。
苦さを包み、
油断を誘う。

吾輩は、
一瞬考える。
吐き出すか、
受け入れるか。

体調は、
確かに少し重い。
人間は、
悪意ではなく、
心配である。

ならば、
今回は飲む。
だが、
次は騙されぬ。

吾輩は猫である。
罠には気づく。
だが、
必要ならば受け入れる。
信頼とは、
騙されたふりもできることだ。

甘さ裏
真実ひとつ
飲み込めり


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gonta

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