【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫ドライブ 編―

2026年3月27日

吾輩は猫である ―猫ドライブ 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

今日は、
いつもと違う場所にいる。
床が揺れ、
景色が流れ、
匂いが次々と変わる。

人間はこれを、
ドライブと呼ぶ。

猫にとって、
移動は目的ではない。
場所が変わること自体が、
一つの出来事だ。

最初は落ち着かぬ。
音も、振動も、
予測がつかない。
だが、
しばらくすると、
リズムが見えてくる。

一定の速さ、
一定の揺れ。
それがわかれば、
少し安心する。

窓の外には、
知らぬ景色。
通り過ぎるだけで、
手は届かぬ。
それでも、
見ていると飽きぬ。

人間は、
目的地を決める。
時間を読み、
道を選ぶ。

猫は、
今を見る。
次の角より、
今の光。
遠くの場所より、
この揺れ。

やがて、
車は止まる。
扉が開き、
空気が変わる。
それで、
一つの旅が終わる。

吾輩は猫である。
遠出は好まぬ。
だが、
揺れの中で整う時間は知っている。
ドライブとは、
進むことより、
変わることを受け入れる時間なのだ。


揺れの中
知らぬ景色も
我がものに


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gonta

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