吾輩は猫である。
名前はまだない。
細い道は、
流れを決める。
広い海でも、
通る場所は限られる。
人間はこれを、
海峡と呼ぶ。
多くのものが、
そこを通る。
物資、
時間、
意志。
だから、
止まれば影響は広い。
吾輩は思う。
大きな流れは、
小さな隘路で決まると。
開いているときは、
誰も気にせぬ。
だが、
閉じた瞬間に、
その重要さが露わになる。
遠回りは、
できなくはない。
だが、
時間はかかり、
負担は増える。
普段見えぬ場所ほど、
全体を支えている。
人間は、
中心ばかりを見る。
だが、
本当に効いているのは、
端の一点である。
守るべき場所、
確保すべき経路、
代替の手段。
それらを持つかどうかで、
安定は変わる。
吾輩は猫である。
海は渡らぬ。
だが、
通り道の価値は知っている。
流れとは、
自由ではなく、
制約の中で保たれるものなのだ。
細き道
止まれば広き
海も止む