【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―海峡封鎖 編―

2026年4月28日

吾輩は猫である ―海峡封鎖 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

細い道は、
流れを決める。
広い海でも、
通る場所は限られる。

人間はこれを、
海峡と呼ぶ。

多くのものが、
そこを通る。
物資、
時間、
意志。

だから、
止まれば影響は広い。

吾輩は思う。
大きな流れは、
小さな隘路で決まると。

開いているときは、
誰も気にせぬ。
だが、
閉じた瞬間に、
その重要さが露わになる。

遠回りは、
できなくはない。
だが、
時間はかかり、
負担は増える。

普段見えぬ場所ほど、
全体を支えている。

人間は、
中心ばかりを見る。
だが、
本当に効いているのは、
端の一点である。

守るべき場所、
確保すべき経路、
代替の手段。
それらを持つかどうかで、
安定は変わる。

吾輩は猫である。
海は渡らぬ。
だが、
通り道の価値は知っている。
流れとは、
自由ではなく、
制約の中で保たれるものなのだ。


細き道
止まれば広き
海も止む


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gonta

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