【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―自動パーキング 編―

2026年8月22日

吾輩は猫である ―自動パーキング 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

車が、
勝手に動き始める。

ハンドルが回り、
ブレーキが入り、
するすると枠の中へ収まっていく。

人間はこれを、
自動パーキングと呼ぶ。

なるほど。

便利である。

狭い駐車場。

見えにくい白線。

何度も切り返したくなる場所。

そんな時でも、
機械は淡々と判断する。

吾輩は思う。

人間は、
つい手を離したくなるのだろうと。

「車がやってくれる。」

「センサーが見ている。」

「きっと大丈夫。」

だが、
駐車場には、
予定通りに動かぬものもいる。

子供。

自転車。

買い物カート。

そして、
吾輩たち猫である。

低い位置にいれば、
見えにくい。

物陰から、
突然出ることもある。

機械が賢くなっても、
世界まで機械に合わせて
動いてくれるわけではない。

だから、
任せながらも見る。

周囲を見る。

ミラーを見る。

画面だけではなく、
自分の目でも確かめる。

必要なら、
すぐ止める。

吾輩は思う。

自動とは、
責任まで自動になることではないと。

便利な仕組みは、
人間の負担を減らしてくれる。

だが、
最後に安全を引き受ける者まで
消してはくれぬ。

吾輩は猫である。
駐車はせぬ。
だが、
車が動けば少し離れる。

自動パーキングとは、
運転しなくてよくなる技術ではなく、
人間が余裕を持って周囲を見るための技術なのだ。


自動でも
最後に見るのは
人の目

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gonta

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