吾輩は猫である。名はまだない。 新年が明けたというのに、この家の空気はやけに静かである。飼い主はこたつから半分だけ顔を出し、テレビの特番を眺めながら、「今日は何もしないぞ……」と宣言していた。 どうやらこれを、“寝正月”というらしい。 吾輩にとっては、それはもう、日常業務の延長である。一年の始まりが休むこととは、なかなかすばらしい文化だ。 朝は遅く起き、ストーブ前で一度寝て、昼過ぎに再びこたつで寝て、夕方には飼い主の膝で寝た。吾輩の仕事が忙しい。 時折、飼い主が言う。「寝すぎて逆に疲れた……」吾輩は理解に ...