吾輩は猫である。名前はまだない。 皇居と聞けば、宮殿を思い浮かべる。 儀式。 外国からの賓客。 立派な庭。 ところが、その一角には田んぼがある。 しかも、天皇陛下が自ら稲を育てる。 人間はこれを、皇居での稲作と呼ぶ。 吾輩は思う。 陛下も、田植えをするのか。 少し意外である。 春には、種をまく。 初夏には、苗を植える。 秋になれば、稲を刈る。 一年かけて、米になる。 どれだけ立場が高くても、植えた翌日に収穫することはできない。 稲は、忖度して早く育ったりしない。 なかなか公平である。 天皇陛下が田に向かわ ...