吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ―原発再稼働 編―

2025年12月5日

吾輩は猫である ―原発再稼働 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

ある夜、飼い主がテレビを見ながらため息をついた。
「また原発を動かす話が出てきたか……」
画面では、議員たちが真剣な顔で討論していた。

吾輩には“原発”というものの仕組みはよく分からぬ。
だが、その言葉の響きには、
人間たちの不安と願いが同時に混ざっている気がした。

人は寒い冬に暖を求め、
産業に電気を求め、
未来の子どもたちには“安全”を願う。
それらがぶつかり合う場所に、
この問題は立っているのだろう。

吾輩はストーブの前に座りながら考えた。
電気がなければ、この暖かさもない。
しかし、あの日の恐ろしい映像を思い出せば、
人の心に影が残るのも当然だ。

飼い主がつぶやく。
「どっちが正しいとかじゃなくて……
 ただ、誰も傷つかないようにできたらいいのにな」

吾輩はその膝にのり、喉を鳴らした。
人間は迷う。
迷いながら、少しずつ答えに近づこうとする。
猫は迷わぬ。
けれど、その背中に寄り添うことはできる。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが、願うことはできる。
――この国が、静かで明るい灯りのもと、生きていけますように。

灯ともる 影も抱えつつ 春を待つ


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gonta

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