【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―重圧 編―

2026年3月9日

吾輩は猫である ―重圧 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

空気が、
少し重い。
誰も触れていないのに、
部屋の中央に、
見えぬ何かが置かれている。

人間はそれを、
重圧と呼ぶ。

期待という名で届き、
責任という形で積まれ、
沈黙のまま膨らむ。
音はないが、
確かに重い。

吾輩は、
机の上に乗ってみる。
書類は重いが、
それは紙の重さではない。
決めねばならぬ未来が、
重いのだ。

人は、
強くなろうとする。
だが、
重圧は力では動かぬ。
抱えれば抱えるほど、
足元が揺らぐ。

猫は知っている。
重いものは、
真下から受け止める。
横から押せば、
倒れる。

深く座り、
呼吸を整え、
一つずつ、
重さを分ける。
全部を背負わぬ。
今日の分だけ、
引き受ける。

夜が来ると、
重圧は少し薄まる。
消えたわけではない。
ただ、
静けさに溶ける。

吾輩は猫である。
重圧は感じる。
だが、
潰れはしない。
重さとは、
逃げぬ者にだけ、
形を変えるものだからだ。

重さ知り
座る姿勢に
芯が立つ


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gonta

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