【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―まいやんカレンダ2026 編―

2026年3月24日

吾輩は猫である ―まいやんカレンダ2026 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

壁に、
新しい暦が掛けられた。
紙はまだ固く、
折り目も新しい。

人間はそれを、
まいやんカレンダ2026と呼ぶ。

月が変わるごとに、
ページがめくられる。
同じ人でありながら、
同じではない表情。

時間とは、
進むだけでなく、
重なるものらしい。

人間は、
予定を書き込み、
日付に意味を与える。
だが、
カレンダそのものは、
ただ静かに
日々を並べている。

美しさとは、
変わらぬことではない。
変わりながら、
整っていることだ。

猫は、
暦を持たぬ。
だが、
朝の光と、
夜の気配で、
日を知る。

それでも、
一枚の紙に
一年が収まる様子は、
悪くない。

眺めることで、
時間が少しだけ
ゆっくりになる。

やがて、
また一枚めくる。
過ぎた日は戻らぬが、
残る余韻はある。

吾輩は猫である。
予定は書かぬ。
だが、
流れる時間は知っている。
カレンダとは、
過ぎゆく日々を
静かに受け入れる装置なのだ。


めくるたび
同じで違う
春の顔


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gonta

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