【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫芸人 編―

2026年4月11日

吾輩は猫である ―猫芸人 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

夜になると、
人間は集まり、
一人の言葉に耳を傾ける。
笑い声が、
波のように広がる。

人間はこれを、
芸と呼ぶ。

芸人は、
言葉で場を動かす。
間を取り、
声を乗せ、
一瞬で空気を変える。

吾輩は思う。
笑いとは、
なかなか高度な技術だと。

猫にも、
芸はある。
転びそうで転ばぬ動き、
無関心から急に甘える切り替え、
予想を裏切る振る舞い。

だが、
狙ってはやらぬ。

芸人は、
狙う。
計算し、
組み立て、
外すことすら織り込む。

猫は、
自然に外す。
だから、
時に面白い。

笑いとは、
完璧さの崩れに宿る。
少しのズレ、
少しの意外。

人間はそれを、
言葉で作る。
猫はそれを、
存在で起こす。

舞台の上では、
一人が多くを背負う。
静寂を恐れず、
次の一言を待つ。

それは、
なかなかの勇気である。

吾輩は猫である。
舞台には立たぬ。
だが、
場の空気を変える力は知っている。
芸とは、
人の心の重さを
一瞬だけ軽くする技なのだ。


笑いとは
少しのズレで
灯がともる


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gonta

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