吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― 女性新総裁 編―

2025年10月16日

吾輩は猫である ― 女性新総裁 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

きょうのニュースで、飼い主が声を上げた。
「日本初の女性総裁、誕生だって!」
テレビの中では、スーツ姿の新しいリーダーが
静かに、しかし力強く言葉を紡いでいた。

長いあいだ、政治の舞台は男たちの声が主だった。
けれども今、その壇上には
柔らかい微笑と、確かな意思を宿した瞳がある。
吾輩はしっぽをゆらしながら思った。
猫の世界でも、ボスは毛並みで決まるわけではない。
堂々として、仲間を思う者こそが群れを導くのだ。

記者会見では「変化を恐れず進みたい」と語っていた。
変化――それは、猫が最も嫌うもののひとつ。
けれども、日の当たる場所を求めて移動するのもまた、猫の知恵。
人も同じく、時に場所を変える勇気が必要なのだろう。

飼い主は「時代が動いたね」と呟いた。
吾輩は膝の上で小さくうなずいた。
世の中が少し優しくなれば、
猫も安心して昼寝ができるというものだ。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが、あの新総裁のまなざしの中に、
確かに新しい光を見た。

春の風 声にやわらぎ 国動く


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gonta

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