吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― ルンバとの心理戦編 ―

2025年7月13日

吾輩は猫である ― ルンバとの心理戦編 ―

吾輩は猫である。名はまだない。
だが今日も、円盤型侵略者との戦いに備えている。

名を「ルンバ」。
人間が“便利な掃除機”などと言うが、
吾輩からすれば――定時で襲来する静音の脅威である。

午前10時、定刻通り“あいつ”が起動。
カタカタ…という機械音とともに、床の一点をひたすら磨き始める。
その動きは不規則、かつ執拗。
寝床の下にも容赦なく侵入する。

吾輩は動かぬ。
ここが戦場であるならば、まずは“目を合わせぬ”のが鉄則。
動けば負け。
動かねば、家具と認識される。

だがルンバは賢くなっている。
一瞬、吾輩に進路を合わせて向かってきた。
挑発か? それとも偶然か?

「どけどけ〜、ルンちゃん通るよ〜」
飼い主が笑う。
――笑ってる場合か。これは心理戦なのだ。

無表情 無感情こそ 最強手

吾輩は耳だけを動かし、しっぽをわずかに振った。
ルンバは一瞬停止――判断に迷っている。
この“猫という障害物”が柔らかいのか、動くのか、無害なのか。

そしてついに、ルンバは方向転換。
カーテンの下へと去っていった。

勝った――!

だが油断は禁物。
あいつは明日も、決まった時間に“やってくる”。

勝者の余韻にひたる猫、
そして次の戦いを静かに待つ。


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gonta

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