吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― 猫界の議員選挙編―

2025年7月18日

吾輩は猫である ― 猫界の議員選挙編―

吾輩は猫である。名はまだない。
だが今、町内猫会議の選挙戦まっただなかである。

今回の争点は三つ。
・深夜のエサ配分の見直し
・野良猫エリアの縄張り整理
・外猫にもキャットドアの通行権を与えるか

立候補したのは、三匹。

一匹目、「ミケ姐」。
押しの強さで知られるボス猫系メス。
「空腹に遠慮なし!」をスローガンに、夜中3時の追給を提案。
演説はもっぱら屋根の上からである。

二匹目、「クロ公」。
警戒心が強く、縄張り重視。
「他猫排除こそ安全保障」とうたう保守派。
投票用紙も噛むので注意が必要だ。

三匹目、「チャラ松」。
最近保護された元ペット猫。
「誰にでも優しい町にしたい」と理想論を語るが、
ときどき“うちの子アピール”が鼻につく。

選挙戦 なわばり超えた 舌戦も

飼い主たちは「何やってるのこの子たち」と笑うが、
猫界ではまじめな争いである。
人間と違って、投票率はほぼ100%。
票は主に「においのついたフェンス」で数える方式だ。

吾輩?
もちろん棄権などせぬ。
“深夜のエサ”は吾輩の生活に直結しているからな。

結果発表は今夜の集会にて。
その前に毛づくろいして、少し眠っておこう。

民主主義 眠って起きても 腹は減る

勝っても負けても、明日はまた来る。
――それが、猫社会の静かなルールである。


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gonta

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