【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―一手の重み 編―

2026年5月16日

吾輩は猫である ―一手の重み 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

盤の上は、
静かである。
だが、
その静けさの中に、
多くが詰まっている。

人間はこれを、
一手と呼ぶ。

ただ置くだけ。
だが、
戻せぬ。

その前に、
いくつもの道があった。
どれも正しそうで、
どれも危うい。

選んだ瞬間、
他は消える。

吾輩は思う。
一手とは、
決断の形だと。

考え、
迷い、
読み、
そして、
最後に置く。

そこには、
これまでのすべてが現れる。

技術も、
経験も、
性格も。

隠せぬ。

軽く置けば、
軽い結果になる。
重く置けば、
その分だけ影響も大きい。

だが、
重さを恐れていては、
進めぬ。

人間は、
正解を求める。
だが、
その場での最善はあっても、
絶対はない。

それでも、
置く。

吾輩は猫である。
盤は持たぬ。
だが、
戻らぬ一歩は知っている。
一手の重みとは、
選んだ後に
引き受けるものなのだ。


置いた後
重みを知って
進みけり


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gonta

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