【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―猫シェアハウス 編―

2026年8月10日

吾輩は猫である ―猫シェアハウス 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

一つ屋根の下に、
何匹もの猫が暮らしている。

朝になれば、
それぞれが好きな場所へ向かう。

窓辺。

ソファ。

キャットタワー。

人間の膝。

誰も、
同じ場所ばかり選ばぬ。

人間はこれを、
シェアハウスと呼ぶ。

「みんな仲良しですね。」

そう言われることもある。

いや、
少し違う。

仲が良い日もある。

少し距離を置きたい日もある。

猫は、
無理をしない。

吾輩は思う。

一緒に暮らすとは、
同じことをすることではない。

互いの距離を知ることだ。

眠りたい者は眠る。

遊びたい者は遊ぶ。

一匹になりたい者には、
静かな時間を譲る。

だから、
大きな争いにならぬ。

人間は、
違うことを不安に思う。

猫は、
違うことを受け入れる。

性格が違う。

好き嫌いも違う。

甘え方も違う。

それでも、
同じ家で暮らせる。

大切なのは、
同じになることではない。

違ったまま、
認め合うことである。

吾輩は猫である。

今日も、
隣で眠ることもあれば、
少し離れた棚の上で眠ることもある。

それでよい。

猫シェアハウスとは、
仲良しだけが集まる場所ではない。

違う個性が、
互いを尊重しながら暮らす場所なのだ。


違うから
ちょうど心地よい
猫の家

  • この記事を書いた人

gonta

-【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編