【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―透明人間 編―

2026年8月2日

吾輩は猫である ―透明人間 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

もし、
透明人間になれたら。

人間は、
何をするのだろう。

誰にも見つからず、
どこへでも行ける。

秘密も、
本音も、
簡単に知ることができる。

便利そうだ。

だが、
吾輩は思う。

本当に怖いのは、
透明になることではない。

誰にも、
気づいてもらえなくなることだ。

人は、
誰かに見てもらいたい。

頑張ったことも、
悲しかったことも、
小さな成長も。

「見ているよ。」

その一言で、
また歩き出せる。

猫も同じである。

名前を呼ばれ、
頭を撫でられ、
目が合う。

それだけで、
ここにいてよいのだと分かる。

人間は時々、
目の前にいる人を、
透明人間のように扱ってしまう。

店員さん。

清掃をする人。

電車を動かす人。

家族。

毎日いるからこそ、
当たり前になってしまう。

だが、
当たり前の向こうには、
いつも誰かの努力がある。

吾輩は猫である。
透明にはなれぬ。
だからこそ、
今日も「ここにいるぞ」と、
大きなあくびをする。
人は、見えなくなることよりも、
見てもらえなくなることの方が、
ずっと寂しいのだ。


見えてても
気づく心が
灯となる


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gonta

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