吾輩は猫である。名はまだない。だが、“アイスの名店”はすべて知っている。 暑い日だった。道端のアスファルトが肉球を炙るような午後、吾輩は「アイスクリーム食べ歩き」に出かけた。 まずは商店街の老舗和菓子屋。店先で出していたのは、抹茶と黒蜜のあいがけソフト。香り高く、まろやか。舐めるというより、嗅ぐに近い至福である。 次に訪れたのは駅前の観光案内所の脇。ひっそりとキッチンカーが停まり、そこには「トマトジェラート」と書かれていた。トマト…?と眉をひそめたが、意外と酸味が効いていて夏向きだった。 路地裏のカフェで ...