吾輩は猫である。名はまだない。だが今日も、円盤型侵略者との戦いに備えている。 名を「ルンバ」。人間が“便利な掃除機”などと言うが、吾輩からすれば――定時で襲来する静音の脅威である。 午前10時、定刻通り“あいつ”が起動。カタカタ…という機械音とともに、床の一点をひたすら磨き始める。その動きは不規則、かつ執拗。寝床の下にも容赦なく侵入する。 吾輩は動かぬ。ここが戦場であるならば、まずは“目を合わせぬ”のが鉄則。動けば負け。動かねば、家具と認識される。 だがルンバは賢くなっている。一瞬、吾輩に進路を合わせて向 ...