吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― AIM 猫の腎臓病編 ―

2025年6月23日

吾輩は猫である ― AIM 猫の腎臓病編 ―

吾輩は猫である。名はまだない。
最近、水をよく飲むようになった。
獣医の話では、「腎臓が弱ってきている」とのこと。

猫にとって腎臓病は避けて通れぬ運命らしい。
けれど、飼い主は言った。
「大丈夫。AIMっていう希望があるから

AIM――
アポトーシス・インヒビター・オブ・マクロファージ。
長くて難しいが、つまり腎臓のゴミを掃除してくれるタンパク質らしい。

人間にはちゃんと働くこのAIM、
猫の体では眠ったままだとか。
でも最近、研究者たちが**“働くAIM”を猫にも届けよう**と奮闘しているという。

ニュースでは、人工AIMの開発が進み、
実用化も近いらしい。
飼い主はその記事を読みながら、
「もうちょっとだけ、がんばろうね」と撫でてくれた。

吾輩はうなずいた。
屋根に飛び乗る日は減ったが、
まだ、日なたで丸くなる力はある。

治るかも その言葉だけで 毛がつやく

病とは、体の不調だけではない。
“治る希望”があるだけで、
猫も人も、呼吸が少し軽くなる。

AIM――それは、ただの薬ではない。
猫を、そして飼い主を支える静かな勇気のしずくである。

吾輩は今日も、日向で待っている。
その小さなタンパク質が、
世界を少し優しくしてくれる日を。


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gonta

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