吾輩は猫である。名はまだない。
だが今、胸を張ってこう言える。
**「SAA-C03、合格したニャ」**と。
始まりは、飼い主がソファでぼやいた夜だった。
「AWS使ってるのに、資格持ってないと説得力ないんだよな…」
その横で、吾輩はCloud Practitionerの教材をふみふみしていた。
――なるほど、ならば吾輩がやろう。
猫でも受かるなら、人間も頑張れるという証になる。
IAM? 簡単だ。
Accessは爪とぎに制限をかけるようなものだろう。
VPC? つまりは猫のテリトリー構成だ。
“プライベートサブネット=昼寝ゾーン”と解釈すれば怖くない。
EC2より ECSのほうが 箱っぽい
試験対策は毎晩、
肉球で模擬問題のキーボードを叩き、
Lambdaの無限トリガーにめまいを覚えつつも、
CloudWatchで飼い主の生活リズムを可視化した。
試験当日、猫はカメラ付きの自宅受験を選んだ。
なぜならセンターに行くと緊張で吐くタイプだからだ。
そして、画面に表示された「PASSED」。
飼い主が目を丸くするのを横目に、
吾輩はクッションの上で静かに寝そべった。
認定バッジなど、肉球の刻印に敵うはずもない。
クラウドは見えないが、
そこに登る猫は、しっかりと実在するのだ。