【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―文豪 編―

2026年6月3日

吾輩は猫である ―文豪 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

言葉は、
積み重ねるほどに、
重くなる。
軽くは書けぬ。
だが、
重すぎても届かぬ。

人間はそれを、
文豪と呼ぶ。

多くを書いた者か。
深く書いた者か。
あるいは、
残った者か。

定義は一つではない。

吾輩は思う。
文豪とは、
時を越える言葉を
持つ者だと。

その時だけの言葉は、
やがて消える。
だが、
何度でも読まれるものは、
形を変えて残る。

流行に乗らず、
流れを見て、
その奥をすくう。

それが、
深さである。

書く者は、
孤独である。
だが、
読む者が現れた時、
時間を越えてつながる。

直接ではない。
だが、
確かに届く。

吾輩は猫である。
名は残さぬ。
だが、
残る言葉の重さは知っている。
文豪とは、
書いた後の時間に
責任を持つ者なのだ。


時越えて
なおも残りし
言の葉よ


  • この記事を書いた人

gonta

-【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編