【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―作家 編―

2026年6月2日

吾輩は猫である ―作家 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

白い紙の前で、
動かぬ時間がある。
書けば進むが、
書けぬと止まる。

人間はこれを、
作家と呼ぶ。

外からは見えぬ。
だが、
内側では、
多くが動いている。

言葉を探し、
並べ、
削り、
また戻す。

一行に、
時間がかかる。
だが、
その一行が、
全体を支える。

吾輩は思う。
書くとは、
足すことではないと。

削ることでもある。

残す言葉と、
捨てる言葉。
その選び方で、
輪郭が決まる。

人間は、
伝えようとする。
だが、
すべては書けぬ。
だからこそ、
余白が生まれる。

読まれることで、
完成する。
だが、
書く段階では、
一人である。

それでも、
続ける。

吾輩は猫である。
文字は書かぬ。
だが、
沈黙の時間は知っている。
作家とは、
見えぬ内側を
言葉に変え続ける者なのだ。


削りつつ
残す一行
命なり


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gonta

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