吾輩は猫である。
名前はまだない。
人間は、
動物を好きと言う。
だが、
好きだけでは、
預かることはできない。
人間はこれを、
第一種動物取扱業と呼ぶ。
命を扱う者には、
責任がある。
餌を与える。
健康を守る。
清潔を保つ。
逃がさない。
病気を広げない。
どれも、
当たり前のようで、
当たり前ではない。
吾輩は思う。
命とは、
商品ではない。
一匹一匹に、
性格があり、
癖があり、
好き嫌いがある。
同じ猫は、
一匹としていない。
だから、
決まりを守ることは、
役所のためではない。
猫のためである。
人間は、
資格を取れば終わりと思う。
だが、
本当の仕事は、
その日から始まる。
毎日の観察。
小さな変化への気づき。
「いつもと違う」を、
見逃さない目。
それが、
命を守る。
吾輩は猫である。
法律は読まぬ。
だが、
優しく撫でる手と、
責任を持って世話をする手は、
ちゃんと見分けている。
第一種動物取扱業とは、
動物を扱う資格ではない。
命を預かる覚悟を、
社会へ約束することなのだ。
資格より
毎日の手が
命守る