吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ―資格コレクター猫シリーズ編:FP3級とごはん代の相続―

2025年7月24日

吾輩は猫である ―資格コレクター猫シリーズ編:FP3級とごはん代の相続―

吾輩は猫である。名はまだない。
だが今では、「ファイナンシャル・ニャンシャル・プランナー」として知られている。

ある日、飼い主が真顔で言った。
「うちの猫にも財産残せるように、相続の勉強するわ」
そうして始まった、FP3級の挑戦である。

机の上には「ライフプランニングと資金計画」「金融資産運用」の教本。
ふむふむ、チュールは流動資産。
猫タワーは耐用年数10年の減価償却資産……と理解しておこう。

相続税 チュールで払えぬ この現実

「遺言書に“ごはん代”って書いても法的に大丈夫かな?」
と心配する飼い主に、吾輩はしっぽで答えた。
――生前贈与が一番確実である。

ペット信託、死亡保険金受取人、代理人制度……
そのすべてを学ぶ飼い主の努力を、
吾輩はテキストの上に寝そべって、遮りつつ応援していた。

合格発表の日。
飼い主は画面を見て叫んだ。
「受かった! ごはん代、守れる!」

いや、守るべきは飼い主の節度である。
合格祝いにチュール3本くれたが、正直、1本でよい。

それでも思う。
お金が“愛”に変わるのは、
こうして誰かの未来を思って学ぶときなのかもしれぬ。

吾輩は今日も、家計簿アプリをのぞき見しながら、
“おやつ費”の項目が増えることを、静かに祈っている。


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gonta

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