【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―不動産セミナー 編―

2026年8月24日

吾輩は猫である ―不動産セミナー 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

休日になると、
人間は集まる。

駅前の会議室。

ホテルの一室。

そこには、
「未来」という文字が並んでいる。

人間はこれを、
不動産セミナーと呼ぶ。

家賃収入。

節税。

資産形成。

夢のような言葉が、
次々と並ぶ。

吾輩は思う。

良い話ほど、
静かに聞くべきだと。

「必ず儲かる。」

「今だけです。」

「皆さん始めています。」

そんな言葉ほど、
一歩引いて眺める。

猫は、
知らない餌には飛びつかぬ。

匂いを嗅ぎ、
様子を見て、
安全を確かめる。

それから、
ようやく口をつける。

人間は、
利益ばかり見てしまう。

だが、
空室はないのか。

修繕費はどうするのか。

災害が起きたら。

金利が上がったら。

良い話には、
必ず考えるべきこともある。

疑うためではない。

納得するためである。

セミナーは、
契約する場所ではない。

学ぶ場所である。

吾輩は猫である。
不動産は持たぬ。
だが、
安心して眠れる場所の価値は知っている。
不動産セミナーとは、
夢を買う場所ではなく、
未来を自分の頭で考えるための入口なのだ。


うまい話
飛びつく前に
ひと呼吸

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gonta

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