【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―振り返り 編―

2026年7月10日

吾輩は猫である ―振り返り 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

歩いている時は、
前しか見えぬ。

振り返って初めて、
歩いてきた道が見える。

人間はこれを、
振り返りと呼ぶ。

うまくいった日もある。
失敗した日もある。
遠回りしたことも、
立ち止まったこともある。

その時は、
無駄だと思っていた。

だが、
時間が経つと、
一本の道になっている。

吾輩は思う。
人生とは、
点ではなく、
線なのだと。

一つの失敗だけを見れば、
悔しさしか残らぬ。

一つの成功だけを見れば、
慢心が残る。

だが、
全体を見れば、
どちらも必要だったと気づく。

人間は、
未来ばかり見て焦る。
あるいは、
過去ばかり見て悔やむ。

大切なのは、
今いる場所から、
静かに後ろを眺めること。

そこには、
昨日までの自分がいる。

そして、
明日へ進む力も、
きっと見つかる。

吾輩は猫である。
後ろばかりは見ぬ。
だが、
時々振り返る。
振り返りとは、
後悔するためではなく、
歩いてきた自分を認める時間なのだ。


振り向けば
歩いた道が
力なり


  • この記事を書いた人

gonta

-【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編