【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―GW帰省 編―

2026年5月17日

吾輩は猫である ―GW帰省 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

箱に入れられ、
揺れに乗る。
音も匂いも、
いつもと違う。

人間はこれを、
帰省と呼ぶ。

遠くへ行き、
元の場所へ戻る。
それだけのことだが、
心の動きは少し複雑だ。

着いた先は、
見慣れぬようで、
どこか懐かしい。
人の声も、
空気の流れも、
微妙に違う。

吾輩は、
まず隠れる。
安全な場所を見つけ、
様子を見る。

急がぬ。
慣れは、
時間でしか来ぬ。

人間は、
すぐに打ち解ける。
笑い、
語り、
過去を重ねる。

だが、
猫は知っている。
過去と今は、
同じではないと。

少しずつ、
距離を縮める。
一歩ずつ、
空間を広げる。

やがて、
座る場所が決まる。
それで、
十分だ。

吾輩は猫である。
旅は好まぬ。
だが、
戻る場所の意味は知っている。
帰省とは、
変わった自分で、
変わらぬ場所に触れることなのだ。


戻るほど
違いに気づく
我が居場所


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gonta

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