【吾輩は猫である 現代版】猫視点で描くオリジナル短編

吾輩は猫である ―企業防災 編―

2026年10月20日

吾輩は猫である ―企業防災 編―

吾輩は猫である。
名前はまだない。

人間は、
会社という場所に集まり、
毎日仕事をする。

机。

パソコン。

会議室。

倉庫。

工場。

いつも通り動いている時は、
何も問題ないように見える。

だが、
災害は予定表を見て来るわけではない。

地震。

大雨。

停電。

火災。

通信障害。

人間はこれに備えることを、
企業防災と呼ぶ。

吾輩は思う。

会社の防災とは、
非常食を置いておくだけでは足りぬと。

まず、
人を守る。

逃げる場所を決める。

安否を確認する。

帰れない者を支える。

けが人が出た時に、
どう動くか決めておく。

そして、
もう一つ。

仕事も守る。

データ。

設備。

取引先。

物流。

連絡手段。

止まった時に、
何を優先して戻すのか。

人間はこれを、
事業継続と呼ぶ。

吾輩は思う。

災害の時ほど、
全部を守ろうとしてはいけないのかもしれぬ。

命。

安全。

最低限の仕事。

その順番を、
平時に決めておく。

それが大切なのだろう。

猫なら、
大きな音がすれば、
まず逃げる。

お気に入りの箱を取りに戻ったりはしない。

人間も、
本当は同じでよい。

書類より命。

パソコンより人。

売上より安全。

当たり前のようで、
いざという時ほど忘れやすい。

吾輩は思う。

企業防災とは、
災害を防ぐことではない。

起きた時に、
迷わず動けるようにしておくことだ。

訓練する。

備蓄する。

連絡手段を複数持つ。

代わりの拠点を考える。

そして、
一度作った計画を、
放置しない。

人が変わる。

設備が変わる。

働き方も変わる。

ならば、
防災も更新しなければならぬ。

吾輩は猫である。
事業継続計画は作らぬ。

だが、
危ない時にどこへ逃げるかくらいは、
いつも考えている。

企業防災とは、
会社の建物や数字を守ることではない。

そこで働く人が、
災害のあとも生活へ戻り、
また仕事を続けられるようにするための、
平時からの備えなのだ。


守る順
まず人それから
仕事なり

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gonta

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