吾輩は猫である(現代編)

吾輩は猫である ― 万博ミャクミャク 編―

2025年10月26日

吾輩は猫である ― 万博ミャクミャク 編―

吾輩は猫である。名はまだない。

このところ、飼い主がテレビの前でしきりに言っている。
「チケット、当たった!」
どうやら“大阪・関西万博”という催しに行くらしい。
そこには“ミャクミャク”なる不思議な生き物がいるそうだ。

吾輩も写真で見た。
赤と青がぐにゃりと混じり、
目がいくつもついたその姿。
初めは少し怖かったが、
よく見ると、どこか懐かしい。
――まるで人と猫と自然の命が
一つに溶け合ったような、不思議な形をしている。

飼い主は言う。
「人間の知恵と未来が集まる場所なんだ」
なるほど、人は集まり、語り、築こうとする。
だが吾輩に言わせれば、
未来とは“つくる”よりも“育てる”ものだ。
ミャクミャクもまた、誰かの祈りが
形になった存在なのだろう。

会場の模型を見ながら、飼い主がつぶやいた。
「うまくいくといいな」
吾輩はしっぽを一振りした。
希望とは、成功よりも続いていく勇気のことだ。

吾輩は猫である。名はまだない。
だが、この島国のどこかで、
確かに“命のミャク”は脈打っている。

未来とは 夢をつなぐ手 ぬくもりで


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gonta

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